前住職(祖父)の日記

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前の住職である政識和尚(せいしきわじょう1901-1968)は私の祖父である。しかし祖父は私の生まれる四年前の昭和43年に亡くなっており、私は祖父の事を直接は知らず、父住職から話を聞くのみであった。

真面目で極めてマメだったという祖父の日記が存在する事は父や伯母から聞いてはいた。数日前に本堂の収納庫にあった古い古い扉付きの本棚を何気なく開けるたら、書籍の並ぶ中に古いノートが沢山入っているのを見つけたのがそれである。
B5の罫線入りノートは全部で35冊、表紙に通し番号が漢数字で一から三十五までふってあり欠本は無し、年代にして大正10年から昭和41年であった。開けば寺での覚え書きや法儀の研究から、論評の書写、外出や会合の詳細、人に買った土産や振る舞った食事の内容にいたるまでびっしりと書き連ねてある。

詳細ではあるが文章は要を押さえており、字が細かく、くずしてある他は読みにくくはなく、活き活きとしたリアリティを感じられて実に面白い。45年の歳月に於いて記される内容の傾向も書体、仮名遣いも変化があるが、これほど膨大な日記を綴り続けたというのはずぼらな私からすれば驚嘆ものだ。

父にその話をし、さらに聞けば、どうも祖父の行状について私は若干の早合点をしていたようで、祖父が本堂の修繕復興などを始めたのは住職になってからではなく、さらに以前の大正時代からであったそうだ。本日早速笠寺観音公式サイトの略史における内容の間違いを訂正した。日記にはまだ続きがあるがノートから和綴じの帳面に切り替えたそうで、それらの分は別の場所に保管してある筈との事。もしかすると逆にさらに古い日記がどこかに眠っているのかもしれぬ。

まだまだあちこちつまみ食いをするようにしか読んでいない。書かれた感想や批評は祖父個人のものかもしれないが(それはそれで読むと面白い)、事実関係を知る上では当時を伝える貴重な史料である。全容を公開する事は無いが、今後読み進めるうちにサイトでも訂正をすべき所が出てくるかもしれない。

以前古い写真を見つけて感嘆した事があったが、それにしてもプリントした写真や、紙に書かれて、モノとなったアナログな記録の力はすごいね。あれこれデジタルデータこさえて記録したつもりになっている自分は、振り返ってみればいったい残すに値する記録をどれほど生み得ているのか。
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by esquisses | 2008-05-15 22:39 | お寺


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